『ユーリ!!! on ICE』感想&考察:劇中曲の伏線『眠れる森の美女』カラボスとリラの精

ユーリ!!! on ICE 第1話 アニメ感想&考察
出典:「ユーリ!!! on ICE」公式サイト

『ユーリ!!! on ICE』(ユーリオンアイス)の感想&考察です!

劇中曲の一覧表を作ってみて、ヴィクトルのジュニア時代の曲を知ったのですが、それについて考察してみたいと思います。

ブロマンス的にも盛り上がった例のシーンがある7話GPシリーズ中国大会フリースケーティング…

同じ回に伏線なんかもあり、何となく意味がわかったつもりでしたが、別の見方があったのかもしれません。

11話までのネタバレが含まれます。

注意:ネタバレありです!あくまで私の個人的な感想や考察です。

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ヴィクトルのジュニア時代の楽曲:リラの精

ヴィクトルジュニア時代の楽曲は、1話で勇利が世界ジュニアで滑るヴィクトルをテレビで見るというシーンに登場します。

このとき使用されていた楽曲は、チャイコフスキーのバレエ『眠れる森の美女』のプロローグの最後、「リラの精」の場面で流れる曲でした。

「リラの精」という曲があるわけではなく、7話のギオルギーSF曲「カラボス」と同じ曲の一部のようです。

リラとはライラックの意味。ライラックは紫色や白色の花。香りがよく香水の原料にもなっています。

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チャイコフスキー:バレエ『眠れる森の美女』

次に、チャイコフスキーのバレエ『眠れる森の美女』について簡単に見てみましょう。

『眠れる森の美女』の序幕…

生まれたばかりのオーロラ姫は、邪悪な妖精「カラボス」に彼女が20歳(改訂版では16歳)の誕生日を迎えたとき死ぬ呪いをかけられてしまいます。

しかし、善の妖精「リラの精」が死の呪いを100年の眠りにつくが、王子様のキスにより目を覚ますよう呪いを緩和する

というお話になっています。

(参考:Wikipedia_眠れる森の美女(チャイコフスキー)

ちなみに『眠れる森の美女』と日本では呼ばれますが、原題のロシア語を忠実に訳すと『眠れる美女』だそうです。

関連する楽曲名を並べると…

ヴィクトル使用楽曲:『眠れる美女』より「リラの精」1話
ギオルギーSP曲:『眠れる美女』より「カラボス」6話
ギオルギーFS曲:「眠れる王子の物語」7話(「A Tales of Sleeping Prince」の和訳)

※『眠れる森の美女』は原題に忠実な『眠れる美女』に置き換えました。

眠れる美女、ヴィクトル

1話のヴィクトル時代の回想は、2話にも登場し、勇利がこのように言っています…

「僕が12歳のとき4つ上のヴィクトルは世界のトップに立っていた」

このことから、ヴィクトルが世界ジュニアで金メダルを穫ったのは16歳だったと推測します。

ギオルギーのFS曲が「眠れる王子の物語」だったので

「眠れる美女」=「勇利」

だと思っていたのですが、そうではなく

オーロラ姫が呪いで眠りにつく年齢が16歳など(他にも理由があります)で

「眠れる美女」=「ヴィクトル」

だったんじゃないかと思います。

ヴィクトルにかけられた呪い

ヴィクトルは、16歳で世界ジュニアで金メダル、しかも世界ジュニア歴代最高得点を記録しています。

このときヴィクトルは、フィギュアスケート界の頂点に立ってゆく宿命が決定づけられたんだと思います。

ヴィクトルの人生はスケート一色で

10話では(LIFE(人生)とLOVE(愛)だ…20年以上俺がほったらかしにしてること)
11話では(新しい強さは自分で作り出すしかない…ずっとそう思っていた…)

など、世界中から愛され、華やで満たされた人生を過ごしてきたと思われがちなヴィクトルですが

実際は、王者でいることで個人としてのヴィクトルの人生は満たされたものではなく、孤独を感じていたことがわかります。

悪い魔女「カラボス」に呪いをかけられたわけではありませんが

ヴィクトルは世界ジュニアで金メダルを穫った16歳のあの日、フィギュア界の孤独な王になるというある意味呪いのようなものがかかってしまったのではないでしょうか。

リラの精の授けもの

世界ジュニアで金メダルを穫った16歳のあの日、ヴィクトルには呪いがかかってしまいました…

が、「眠れる美女」にかけられた呪いは永遠ではありません。

「カラボス」はオーロラ姫に永遠の眠り(死)の呪いをかけましたが、「リラの精」が100年の眠りにつくが王子様のキスで目覚めるものに変えてくれます。

そして

オーロラ姫が眠りについてから100年後、「リラの精」が王子に美しいオーロラ姫の幻を見せ、王子はその美しさに魅了され姫を助けに行きます。

 

この場面、テレビで世界ジュニアで滑るヴィクトルを見て、魅了され、憧れ、いつか同じ氷上で肩を並べたいと励んでいく子どもの頃の勇利となんだか似ています。

この場面で「リラの精」の曲が流れているので

呪いのかけられた「眠れる美女」ヴィクトルとそれを将来助けにいくことになる「王子」勇利の伏線になっているんじゃないかと思います。

ちなみに、ライラックの花言葉は「友情」「青春の思い出」「純潔」「初恋」など…

もしかしたら勇利の「初恋」だったり!?

バンケットで「王子」と出会う「眠れる美女」

さすがに100年ではないのですが

ヴィクトルが呪いにかけられた16歳から10年後…

ヴィクトル26歳の昨シーズンのGPファイナルのバンケットで

「眠れる美女」ヴィクトルは「王子」勇利に出会います。

11話の最後でヴィクトルは勇利のある言葉に目を輝かせていましたね。

 

「王子」と運命的な出会いを果たした「眠れる美女」でしたが

このときキスはしていないので、ヴィクトルにかけられた呪いは完全には解けていない状態だったのだと思います。

優しい木陰よ

昨シーズンが終わり「王子」がいる日本へ向かった「眠れる美女」ヴィクトル。

勇利のコーチとなり運命の「GPシリーズ中国大会FS」7話を迎えます。

例のシーンや強烈なギオルギーFSで忘れがちなのですが、7話にはもう一つとても印象的なシーンがあります。

それは

勇利のFS滑走前の場面で…

ヴィクトルが心配のあまり勇利のガラスのハートを壊してしまう

この一連のシーンの最後でヴィクトルは勇利のある言葉に心を揺さぶられているようでした。

ここのヴィクトルの瞳、11話のバンケットの最後ととても似ています。

そして

背景では、レオくんFS曲のヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」が流れています。

この曲は歌詞がとても素敵で、ヴィクトルと勇利の関係の伏線のようにも思え、なかなか意味深です。。。

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キスで目覚める「眠れる美女」

そして7話の例のシーンを迎えることになるのですが…

「子豚ちゃんを王子様に変える魔法だね」2話とヴィクトルが言うように

勇利もただの「王子」ではなく、まだ力を出し切れていない「眠れる王子」なのですが

キスにも関わらず、勇利が目覚めたという感じはあまりしませんでした。

 

では、このキスは一体何だったのかというと…

7話のキスで呪いが解けて目覚めたのはヴィクトル

だったんじゃないかと思います。

6話のギオルギーSP『眠れる美女』より「カラボス」

から

7話のギオルギーFSが「眠れる王子の物語」

になり、女声ボーカルで意味深な歌詞の「A Tales of Sleeping Prince」から

7話からは「目覚めた美女」が「眠れる王子」を助けにいく物語だったんじゃないかと思いました。

「A Tales of Sleeping Prince」の考察はこちら!

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「眠れる姫」と「眠れる王子」

そう言えば、7話の演技中ギオルギーがちょっと意味不明な台詞を言っているんですよね。

ちょっとよく聴こえなくて、正しく聴き取れているか微妙ですが、こんなことを言っていました。

「きみを救うと約束するよ」
「いつもきみの見方さ。だからきみも救うと約束して」←??

「A Tales of Sleeping Prince」の演技なので、これは「眠れる美女」ヴィクトルの言葉だと考えると…

ヴィクトルは勇利を救いにいきますが、勇利にも自分のことを救って欲しいと願っている

ということだったのかもしれません。

「眠れる姫」の「ヴィクトル」と「眠れる王子」の「勇利」は、それそれ「救いにいく側」であって、同時に「救われる側」でもあったというお話だったのかもしれません。

ふたりは幸せなキスをして…

『眠れる森の美女』のお話は王子様が眠れるお姫様にキスをして目覚めさせる。

というところばかり注目して忘れがちですが、お姫様が目を覚ましてからも少し続きがあります。

おとぎ話によくありがちなエンディングなんですが

目を覚ましたお姫様は…

王子様と…

結婚します!!!

最後は、お姫様と一緒に眠りについた王様や王妃様、お城にいた人たち、リラの精そして悪い妖精カラボスなどみんな一緒に2人の結婚を祝福してハッピーエンドで終わります。

すっかりストーリー忘れていましたが、ここにも「結婚」というキーワードがあったんですね(驚)

 

5話の「ローエングリン」がわかりやすかったですが、10話の「結婚」のキーワード結構出てきましたね。

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ちょっと深読みし過ぎた気もしますが、ヴィクトルの誕生日に関するキーワードでも「結婚」が出てきました。

こちらは盛大なネタバレが含まれるので最終回まで視聴してからご覧下さい!

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 まとめ

「7話でキスしたのに、なぜ『眠れる王子』の勇利は目覚めてないんだろ?」

とちょっと引っかかっていたんですよね。

「眠れる王子」以外に「眠れる美女」のヴィクトルもいて、7話のキスで完全に目覚めたのはヴィクトルだった

と考えると納得がいきます。

そうなると…

勇利は一体いつ目覚めたんでしょう…??

12話のFSではまだ目覚めていないような気がなんとなくします。

なので、その後のあの場面で目覚めて、そしてあのエキシビションだったんじゃないかと思います。

ほんと素敵でした。

 

『ユーリ!!! on ICE』のアニメ放送が終わって一ヵ月以上経ちましたが

終わっても考察するところがたくさんありました(笑)

記事を書いてから、追記することが多かったです。

また見逃した伏線を見つけたら、その都度記事に追記していこうと思います。

「これはっ!」という伏線を見つけたら、ブログトップの更新情報にひとこと書きますので、よかったら見ていってください!

『ユーリ!!! on ICE』の2期でまた考察ができる日を楽しみにしています^^

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