『ユーリ!!! on ICE』感想&考察:劇中曲の伏線「オンブラ・マイ・フ」(優しい木陰よ)

ユーリ!!! on ICE 第6話

©はせつ町民会/ユーリ!!! on ICE 制作委員会

『ユーリ!!! on ICE』(ユーリオンアイス)の感想&考察です!

前回の劇中曲一覧を作るにあたり、劇中でアナウンスされなかった曲がある部分を見直してみたところ、レオくんのフリープログラム曲だけ知っていました。

放送当時気がつかなかったのですが、ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」という曲です。

私は別名の方で知っていたのですが、とても優しくてきれいな曲で「あの場面でこの曲が使われていたとか素敵だなぁ」なんて思いましたが、実はこの曲歌詞があったんですね…

劇中でも思いっきり歌われていましたが(汗)

勇利とヴィクトルの伏線かどうかは正直ちょっと微妙な感じもしますが、歌詞を知るとあの短いシーンがよりいっそう意味のあるものになるんじゃないかと思います!

注意:ネタバレありです!あくまで私の個人的な感想や考察です。

レオくんFS:ヘンデル オンブラ・マイ・フ(ラルゴ)

ヘンデル作曲の「オンブラ・マイ・フ」は、オペラ『セルセ』で王セルセによって歌われるアリア。

「オンブラ・マイ・フ」の他に「ヘンデルのラルゴ」の名前でも知られています。詩の内容はプラナタスの木陰への愛を歌ったものになっています

プラタナス(スズカケノキ)の葉はカナダ国旗のメープルリーフをでっかくしたような感じの葉っぱです。街路樹や公園などに植えられユリノキ(ハンテンボク)とちょっと似た感じの樹木です。

曲名は歌の出始めの「Ombra mai fu」に由来しています。日本語に直訳すると「これまでにない陰」のような感じになります。

ちょっと意味不明な感じになってしまうので、日本語の曲名では「優しい木陰よ」「樹木の陰で」「懐かしい木陰よ」などなど…の名前で呼ばれています。(ちょっと統一してほしいですね…)

歌付きではないですがこちらが「オンブラ・マイ・フ」です。

クラシック以前に音楽自体あまり詳しくない私が言っても説得力がないのですが、数えきれないほどある音楽の中で屈指の優しく美しい曲ではないかと個人的に思います。

「オンブラ・マイ・フ」自体はよく知られるヘンデルの代表作になりましたが、オペラ『セルセ』の興行は失敗に終わったそうです。

オペラ『セルセ』のあらすじをさらっと読んできましたが…とっても納得です。。。

ストーリーを知ってしまうと「オンブラ・マイ・フ」の美しさが若干削がれるかも(笑)王セルセがちらついて!

オペラは忘れて純粋に曲だけを愛でることにします……

こちらは、アメリカの大人気オーディション番組「America’s Got Talent」出身のジャッキー・エバンコの「オンブラ・マイ・フ」。先日のトランプ大統領の就任式では国歌を歌ったそうです。

シャルロット・チャーチを思い出します…彼女の「Oh Holy Night」本当に素晴らしかった…ジャッキーちゃんはそのまま素敵に育ってほしいです…

オンブラ・マイ・フ(ラルゴ)の歌詞

では「オンブラ・マイ・フ」の歌詞を見てみましょう。

イタリア語の歌詞で上手く和訳できなかったので、ウィキペディアの英語の歌詞を日本語に翻訳してみました。

歌は「Ombra mai fu~」から始まります。

歌詞

Frondi tenere e belle
del mio platano amato
per voi risplenda il fato.
Tuoni, lampi, e procelle
non v’oltraggino mai la cara pace,
né giunga a profanarvi austro rapace.

Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più.

英訳

Tender and beautiful fronds
of my beloved plane tree,
let Fate smile upon you.
May thunder, lightning, and storms
never disturb your dear peace,
nor may you by blowing winds be profaned.

Never was a shade
of any plant
dearer and more lovely,
or more sweet.

引用元:Wikipedia_Onbra mai fu

和訳

私の愛するプラナタスの樹の
優しく美しい葉よ
運命がお前の上に輝くように
雷鳴、雷、嵐が
決してお前の大切な安らぎを妨げぬように
そしてお前が吹きすさぶ風に汚されぬように

これほど愛しく、美しく
優しい木陰はかつてなかった

・・・

とても素敵な歌詞ですね。

…そしてこの曲にも「愛」「運命」という言葉が!!たまたま??

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ヴィクトルにとっての「優しい木陰」

伏線があるかどうか微妙な感じもしますが…考察いってみましょう!

まず「オンブラ・マイ・フ」が登場するのは7話のわずか25秒ほどの短いシーンです。

レオくんのFP曲なのでもちろんレオくんの滑走シーンなのですが、それ以上に勇利とヴィクトルの場面が長かったです。

その場面はと言うと

ヴィクトルが勇利を心配するあまり耳を塞いでいるシーン。

ヴィクトルは、滑走前なのに尋常じゃないほど怯える勇利をどうにか助けたいと、勇利の耳を塞ぎながらあれこれ考えをめぐらせています。

勇利は「プラタナスの樹」

コーチのヴィクトルは、勇利のことを優しく見守ってきているので、この歌にある優しく美しい「プラタナスの樹」=「ヴィクトル」のように思えるのですが

そうではなく…

「プラナタスの樹」=「勇利」

この歌はヴィクトルの勇利への気持ちを歌っている

のではないかと推測しました。

なぜそうなるかというのを見ていきましょう!

まず注目すべき点は

  • 珍しいヴィクトル視点の場面
  • 王セルセのアリア(独唱曲)

ここ大変珍しいヴィクトル視点のシーンになってます。

『ユーリ!!! on ICE』全体で見るとヴィクトル視点の箇所は、ここ以外に「勇利のスケートシーン」「10話」しかなかったと思います。

凄くレアなシーンなのでBGMも何か意味があるんじゃないかと。

・・・

次は、王セルセのアリア(独唱曲)と言うポイント。

劇中の曲を聴くと女性のソプラノのように聴こえます。

実際、女性が歌っているのかもしれませんが、ひょっとしたら男性のカウンターテナーが歌っているかもしれません。『もののけ姫』の米良さんのような。

この歌は女声のものが多いように感じますが、もとは王セルセの歌なので中性的な感じのヴィクトルの隠喩のように思えます。

そしてヴィクトルはフィギュア界の王者です。

・・・

そして、も意味ありげです。

王セルセが「私の愛するプラナタスの樹」とプラタナスの樹への愛を歌っていますが

実はレオくんのSP曲「Still Alive」6話にも「樹」が出てくるんですよね。

以前「Still Alive」の考察をこちらの記事や…

『ユーリ!!! on ICE』(ユーリオンアイス)本当に面白いですね〜! 物語の中だけでなくOP・EDの曲や映...

この記事で考察した歌詞に「樹」が出てきます。

前回に続き『ユーリ!!! on ICE』(ユーリオンアイス)劇中曲からいろいろ考察してみました! 前回は勇利と...

その歌詞は「Still Alive」の一番最後に出てきて

「生長する木々」「満開のバラ」の中に神様を見る

というような歌詞で対になっています。

この「満開のバラ」は「ヴィクトル」意味して…

  • 「満開」は才能が花開いている状態
  • 7話の回想で青い「バラ」の花冠を被っている

そして「成長する木々」は「勇利」意味するんじゃないかと思います。

  • 「成長する」はまだ成長途中にある状態
  • モデルの人物のひとりと言われる町田選手の名前が「樹」

などのことから「プラナタスの樹」=「勇利」じゃないかなと思いました。

優しい木陰よ

「オンブラ・マイ・フ」の曲が流れていた場面のすぐ後で、ヴィクトルが勇利のガラスのハートを壊し(笑)勇利が涙ながらに自分の思いをヴィクトルにぶつけるのですが…

ここでヴィクトルの目が大きく見開かれ、勇利の言葉に心を大きく揺さぶられているようでした。

7話では心配のあまりあんなことになってしまいましたが(笑)ヴィクトルはいつも勇利に決して無理はさせずそばにいて優しく見守っています。

そう考えると「優しい木陰よ」の歌詞はヴィクトルの勇利への気持ちそのものに思えてきます。

私の愛するプラナタスの樹の
優しく美しい葉よ
運命がお前の上に輝くように
雷鳴、雷、嵐が
決してお前の大切な安らぎを妨げぬように
そしてお前が吹きすさぶ風に汚されぬように

これほど愛しく、美しく
優しい木陰はかつてなかった

自分に安らげる場所を作ってくれる勇利が嵐に負けてしまわぬように、そして勇利の運命が氷上で輝くように、というヴィクトルの祈りのようなものを感じます。あと

「これほど愛しく、美しく、優しい木陰はかつてなかった」

ヴィクトルと勇利の関係を考えて歌詞を読むと素敵過ぎてやばいですね。

「優しい木陰よ」はとても素敵で好きな曲でしたが、さらに尊さが増したような気がします(涙)

ふたつでひとつの陰と陽…

話はそれますが、先ほど考察した「Still Alive」の一節、実はこれと対になる一節が曲の一番最初に出てきます。

そこでは「成長する木々」「満開のバラ」が「朝の太陽」「月のない夜」に置き換わっています。

そうすると「朝の太陽」が「勇利」で「月のない夜」が「ヴィクトル」ということになるのでしょうか。太陽と月、朝と夜…またまた陰陽が出てきました……

こちらの記事には盛大なネタバレが含まれるので最終回まですべて見てからご覧下さい。

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まとめ

そもそも「優しい木陰よ」が伏線かどうかは不明ですが、あの場面でこの曲のチョイスは本当に神がかってると思います!素敵過ぎて!!

私は「オンブラ・マイ・フ」を「優しい木陰よ」の名前で覚えていたので、劇中曲の一覧を作るのにアニメを見直したとき「おおっ!」となりました。

初めは「ふむふむ。ヴィクトルは優しい木陰か〜」なんてあのシーンを見て思いましたが、曲の背景や歌詞を調べて「こ、これはっ!!」となりました。

勇利にとっての「優しい木陰」のヴィクトルの方がわかりやすいですが、やっぱりあえて逆なんじゃないかと思いました。

とにかく「Still Alive」の気になっていた箇所も何となく解明したのでよかったです!

あと、今日たまたま町田樹選手の別名が「氷上の哲学者」と知って驚愕しました(爆)

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